STAR MINE
痛みよりも、開放を求め。底知れぬ恐怖から逃れたいだけ。
「なに・・これ・・・」
クミコは必死で“その腕”を引くが、微動だにしない。同じように他の少女達にも食い込んでる腕もやはり抜けない。
「ねぇ・・・こ・・れマジ?」
「あたいら・・・死ぬの??」
「バカ言ってんじゃねぇよ・・」
「エミ死にたく・・なァーい!!」
「そうさね、冗談じゃ・・・」
「・・な、いですわよ!」
「私・・達の〜夏〜は〜・・・」
「「これからなんだから!!!」」
8人は同時に声をあげ、目を見開く。各々突き刺さる“腕”をまだ幼さ残る両手で強く握り締め、胸の中心から引き抜こうと力を込めた。
早く、逃れたい。
早く、確信が欲しい。
早く・・元に戻りたい。
早く・・・現実を見せて。
僅かに“腕”が引かれ始めた瞬間―――。8人の脳裏にまたあの声が響いた。
『抗うか?・・・面白い。そなた等は何れにせよ、余の物となる。
ならば最大の【力】を引き出してから喰らおうぞ。さすれば余は全ての――』
貫いていた“腕”は一気に抜かれ、消えた。8人の胸の傷と共に跡形もなく。