STAR MINE
「マジでマジで?お前それ頭やべーって」
「けどさー、あんだけリアルだと信じたくなるって・・・。女の子の胸に腕が刺さってるとか・・ま、有り得ないだろーけど」
ミチルとエリカは顔を見合わせ、頷くと笑顔で振り返る。
「お兄さ〜ん、お話ししませんか〜?」
別棟の図書館。チグサとユキノ以外は、可哀想な図書当番が本の整理をしているだけだった。
2人は持ち出し禁止の自校の歴史書をこれでもかと抱えて広い机上に並べる。手にする生徒が少ないのは明らかで、そのかなり埃っぽい表紙を開きこの無謀に近い綴りとの戦いに挑む。
「ユキノは創立からを攻めてください、わたくしは昨年分からいきますわ」
「O〜K〜〜!」
延々とページをめくる音と、図書委員の脚立を昇降する音だけが響く。
開け放たれた窓に真っ白なカーテンがゆらりとおよぎ、時折風を失い黙する。