STAR MINE


「あなた達が赤点取ったからでしょう?お陰で私まで呼び出されたわよ!
・・貴重な中3の夏休みなのに・・・
2週間毎日毎日あなた達の講師役よ!!!」



そこまで言い切ると最後にこれでもかと力いっぱい机をたたいた。

手が腫れていやしないかと、怒声を浴びた生徒達は気になったが今自分達が置かれている立場はそんな場合ではない。





再び蝉の鳴き声が木霊する。




「・・えっとォ・・お、治まりましたでしょうか??」


教室の真ん中辺りに掛けている茶髪のハデな女生徒が恐る恐る問いかけた。
委員長は射抜くような視線をそちらに向けると大きく息を吸い込み


「余計な事考えてる暇があったらさっさと終わらせて頂戴!!!」


最大級の声量ではき捨てた。
生徒達はこれ以上怒鳴られたらたまったもんじゃない、と机上の課題プリントにあわてて目線を落とした。


本当にまったく見事に“夏休み補習組”が女子しかいない。

このクラスの男子は優秀なのか?などとくだらない事を考えてる間にも、
ただでさえ暑苦しいこの3−8組の教室内の温度がわずかに上昇したのを彼女達は否応にも感じていた。



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