STAR MINE


終業式以来密室だった情報処理室は、サウナなんてものではなかった。

クミコは室内に入ると矢のごとく窓際に走り寄り、その重苦しい空気を開放すべくガラス窓を開けまくる。
暑い〜、とアキは文句を垂れながらクミコの後から気だるそうに入っていった。

「暑いのは夏だからよ!さ、早く始めましょう」

「ぅえ〜〜・・・」

この人どこまで真面目なんだ・・と締まりの無い顔でアキは渋々パソコンの前に腰掛けた。
電源を入れ、起動させると機械音と共に吐き出された不快な微風が身を包んだ。はっきりいって、買出し班にすればよかったとかなり後悔している。

しかし嘆いても終わらないと腹をくくり、早速ネットに繋いだ。
大手掲示板に入りこみ、慣れているのか画面では軽快にページを開いてゆく。


「まずはオカルトの板かなぁ、っと」

アキは口の端を一舐めし、スクロールされていく文字列を追った。隣ではクミコが別のサイトを開き同様に目線だけを動かしている。


5分もしないうちに米噛みから一筋汗が流れ落ち、首筋を伝ってシャツの襟に消えていった。



< 21 / 43 >

この作品をシェア

pagetop