STAR MINE
珍獣?
照りつける太陽に軽く眩暈を感じながら、買い出し班はコンビニ目指して歩いていた。
そこはいつもの通学路であり見慣れた風景。あえて違うといえば2人以外、学生が歩いていない事くらいか。
溶けるぅ、死ぬぅ、と掛け合いの様に繰り返しながら重い体を無理矢理引きずり、漸く2人はコンビニまで辿り着いた。
「ユウリ〜、アイス買おうよ!!」
涼しい店内に入った途端元気になるエミ。ユウリはまだ回復していないのか、緩慢な動きでグロッキーな顔を向けた。
そんなユウリをお構いなしにしてアイスを物色しながら鼻歌を歌ってご機嫌の様子。
「なぁ、アイスもいいけどみんなの弁当が一番の目的だぜ?」
「分かってるってー。エミはそんなにアホじゃないよ」
そうかァ??と突っ込もうかとも思ったが、楽しそうなエミの姿にあえて黙っておいた。
2人は両手一杯に袋を提げ元来た道を歩き出した。
エミは先程買ったアイスを極上の笑顔でかぶりついている。ユウリは横目でちらりと自分より低く位置するその表情を見て、再び陽炎で揺れるアスファルトへと視線を戻した。
不思議な光景が見える。
炎天下の道の真ん中になにか小さいのが居る。