STAR MINE
学校特有の、小窓付きの建てつけ悪そうな引き戸が勢いよく開いた。
「み、みんな、聞いてくれっ・・・!!」
「「遅おぉーい!!!」」
3−8組の教室に駆け戻ったユウリとエミを他グループ全員が返り打ちにする。
2人はそれ処じゃない!!と鬼の形相で一同に“例の物体”を突き付けた。
「可愛い〜!ど〜こ〜で〜拾った〜の〜〜?」
ユキノはエミの手中に大人しく収まるハムスターを撫でまわし、聞く。
当の2人は話したい事が後先きって、や!とか、ま!とか全く言葉にならず口をパクパクさせるだけだった。
【暑いから、あんま触るナ】
全員、しばし固まる。
ユキノは相変わらずハムスターの背中を撫でている。
「誰か〜しゃ〜べ〜〜った〜??」
何故気付かないんだろう、という周囲の少女達の呆れぎみの空気はこの後一瞬にして去る。
エミの手の平からハムスターは飛び出し素早い走りで教卓に登った。8人は間抜けな顔で見ているだけである。