STAR MINE
突如、場の空気が読めない人のように携帯の音が盛大に鳴った。主のミチルは慌ててポケットから取り出しボタンを操作する。
どうやら先程呼び出した人物が学校に到着したらしく、迎えに行って来ると上機嫌で出ていった。
肩透かしを食わせられた面々は何ともいえない表情でお互い目線だけを合わせ暫し待つ。程なくして教室の引き戸が開き颯爽とミチルが戻ってきた。後ろに従えている人物に入室するよう促し、少し扉側へと身を寄せ広く空ける。
「そーんなヒカないでって!みんな、この人が話してた人。」
ミチルの横へ怖ず怖ずと足を進めた青年はヒョコッと頭を下げた。
「こんちわッス・・・あの・・マキヲ、ッス」
蜂蜜色の髪に中性的な綺麗な顔立ちをした、どちらかといえば可愛らしい男性。
早速皆ミチルの執拗なまでの行動の原因を理解する。ミチルはかなり気に入ってる様子で、腕を絡め集団の輪に引き込む。
「ナガシマ!!話、聞いたげて?」
上半身を退け反らせながらナガシマは了承した。しかしこの引っ張り込まれた彼は大丈夫なのだろうかと考える。