STAR MINE
幼子の様に目一杯顔を崩して笑う彼を少女達は見つめた。
この人は・・・
純粋――そんな言葉が似合うんだろう。
しかし彼には悪いが、如何に此方の都合で事情を知る羽目になったとはいえ“当事者”ではない。他人事、所以に気楽に掛けた言葉なのかもしれない。
スゴイとか
ツヨイとか・・・
その気がなくても誰にでも掛けられる体のいいお世辞だ。少女達だってそんなの腐る程聞いてきたし、吐いてきた。
別に人間不信という訳ではないが、会って数十分足らずの者の励ましというか賞賛は余り嬉しくないのが本音。
でも自分達を気遣ってくれているのは分かる・・・まぁ出来る限り傷付けない台詞を選んで答えてあげようと熟慮している中、ミチルがあっけらかんと放った。
「やっぱー??マキヲってば良い事言うじゃぁん」
そう言いつつ皆に目配せを送る。ポカンとしていた一同だったがそれに気付くと慌てて、そうそう、とミチルに続いた。
かなり不自然にマキヲの肩をユウリが叩いたり、エミも嫉妬に手を握り返したり、クミコに至っては妖し気な笑い声を上げていた。