STAR MINE


【マキヲ・・悪ぃけど、あいつらの為にスポーツドリンクかなんか買ってきてくれねえカ?・・・たぶんグダグダんなって帰って来るだろうかラ】

ナガシマは一応、酷使している8人に気を遣っているようだった。
マキヲがそれを快諾し出掛けて行くので、かなり義理臭さ丸出しでその後ろ姿を引き戸が閉まるまで見届ける。


そうして気付くとぽつりと残っている事が心許無くなったのか・・早急に窓際に駆け寄り、グラウンドを走る8人の少女達を眺め続けた。












3‐8組の教室近く。

屋上に一番近い階段の踊り場で壁に向かい、跪き独り言を呟くは、マキヲ。正確には壁に映る虚像との会話と言うのだろうか。





『首尾良くな』

虚像の男がマキヲに吐く。

「お任せ下さい・・・あの少女らの【力】必ずや――『混沌の神、ソウマ様』の御元に・・」

マキヲが頭を垂れたまま答えると虚像の『混沌の神、ソウマ』と告げられた男は薄く冷たい微笑みを浮かべ消えていった。



『混沌の神』ソウマとマキヲの繋がりに気付く者は、まだいない。



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