STAR MINE
2.こんにちわ招かれざる方よ
日常と非日常
翌日も全く同じ時間に全く同じ顔ぶれで教室は機能していた。
あぁ、これが青春なのか・・・?!
と暑さから奇妙なベクトルを指す思考が8人の少女達に襲い掛かる。
彼女達は別段仲良しグループでもなんでもなく、たまたま今回補習の為に仕方が無くそこにいるだけだった。
クラスメート、そんなくくりだろう。
だから例えば、其々の交友関係とか家族構成なんかは知らない。知っているのは必要最低限の情報、名前くらいだろうか・・・
むしろ名前すら知らないこの場に居ない他のクラスメートも居るかも知れない。
そんな無機な日常をごく当たり前に送る生活は、安穏とも辛酸ともつかない場所だった。
しかしそれを逸する術を彼女達は持たない。
正確には抗うつもりがないのだ。
脱して何になる?
その先に何がある?
そこには何が待っている?
何もない事を彼女達は感じ、理解していた。
何もなくていい・・ただこの今日が終われば・・・
そんな少女達の平日はこの瞬間をもって崩される。