パープルシャドー
なく思いのままに口から放たれる私の関西弁丸出しの言葉が、寡黙的で純粋な東北の男どもの心をぐさっとえぐるらしい。
この前も初対面のお客様に、
「へぇー、君、大阪から来たん?なんで?仙台なんかよりずっと都会じゃない、食べるものも美味しそうだし。失恋でもしたの?わかんないなぁー」
「だよね一、ほんまに何しに来たんやろ私、ここに。あきたんかなぁ、大阪に。浪速の男にも女にもあきたんやろか。ようわからんのよ、私にも。ミナミのキャバも居ごこちよかったのになぁ、別に失恋したわけともちゃうねんなぁ。生まれ育った大阪をほかしたんやろか、私。ゴミ箱にポイっとほかしてしもたんやわぁ、ミナミを。ほんで、次何処いこか迷ってんなぁー、キタ行ってもつまらんし、神戸もなぁーって迷ってる内に東の方に足が向いたんよ。名古屋に着いて、名古屋も見たんやけど、なんかようわからん。ピーン、と感じるもんがあらへん。ほんで、もっと東にいったろ思て、向かってん。ほんで今度は東京に着いたんよ。東京駅に着いたら、なんやらようわからん出口がぎょうさんあって、人もようけおって、何処から出たらええのか、わからへん。ほんで出るの辞めたんやんかぁ。どうせならもっと東にいったろ思て。まぁ、そんなとこかな仙台に来たん。仙台の街見てすっきりしてはる街やなぁ、思たんよ、第一印象。住みやすそうやなぁって。ほんで決めたねん、仙台に。住んでみよ思て」
「そうなんだ。でも良かったよ、君にこうして仙台で出会えたんだから。スタイル抜群だし、綺麗
だし、目元のラインがグッとくる。君に見つめられると心が奪われそう。ところで君の名前は?」
「真理子。ミナミでも真理子。私は何処行っても真理子やねん。この名前、げんが良いんよ。一番の売れっ子になれるんよ。本名なんよ。ええ名前やろ。
ほんで名前の次に、自分の中
この前も初対面のお客様に、
「へぇー、君、大阪から来たん?なんで?仙台なんかよりずっと都会じゃない、食べるものも美味しそうだし。失恋でもしたの?わかんないなぁー」
「だよね一、ほんまに何しに来たんやろ私、ここに。あきたんかなぁ、大阪に。浪速の男にも女にもあきたんやろか。ようわからんのよ、私にも。ミナミのキャバも居ごこちよかったのになぁ、別に失恋したわけともちゃうねんなぁ。生まれ育った大阪をほかしたんやろか、私。ゴミ箱にポイっとほかしてしもたんやわぁ、ミナミを。ほんで、次何処いこか迷ってんなぁー、キタ行ってもつまらんし、神戸もなぁーって迷ってる内に東の方に足が向いたんよ。名古屋に着いて、名古屋も見たんやけど、なんかようわからん。ピーン、と感じるもんがあらへん。ほんで、もっと東にいったろ思て、向かってん。ほんで今度は東京に着いたんよ。東京駅に着いたら、なんやらようわからん出口がぎょうさんあって、人もようけおって、何処から出たらええのか、わからへん。ほんで出るの辞めたんやんかぁ。どうせならもっと東にいったろ思て。まぁ、そんなとこかな仙台に来たん。仙台の街見てすっきりしてはる街やなぁ、思たんよ、第一印象。住みやすそうやなぁって。ほんで決めたねん、仙台に。住んでみよ思て」
「そうなんだ。でも良かったよ、君にこうして仙台で出会えたんだから。スタイル抜群だし、綺麗
だし、目元のラインがグッとくる。君に見つめられると心が奪われそう。ところで君の名前は?」
「真理子。ミナミでも真理子。私は何処行っても真理子やねん。この名前、げんが良いんよ。一番の売れっ子になれるんよ。本名なんよ。ええ名前やろ。
ほんで名前の次に、自分の中