紅い桜
暗部の仕事の傍ら、毎日、柊先生とアサシン能力アップの訓練をした。
急所を瞬時に突ける練習。
組み手、銃、ナイフ、ピックの練習。
冬になる頃、柊先生にまた言われた。
「ナンバーに挑戦してこい」
挑戦と言っても、命のやりとりなの。
ナンバーと闘技場で、みんなの見ている前で、デスマッチ。
勝者がナンバーを獲得。
敗者に待つのは死……。
でもこないだナンバー9になった人の戦いは稚拙だった。
あれなら、私の方が強い。
私は頷き、試合は3日後に決まった。

3日後、私は闘技場の控え室にいた。

これから私は命のやり取りをする。
別に人を殺すためらいもなければ、怖さもなかった。
私は強い。自信がある。
そして殺さなければ殺されるだけ。

闘技場の扉が開いた。

ナンバー9は子供の私を侮るかのように笑ってた。
やつは知らない、私が暗部のリーダーだということを。
暗部は秘密組織だから。
相手がナイフを投げた瞬間、私は奴の背後に周り頸椎を射した。
そして動かなくなった。
観客は一瞬の出来事に静まり返る。

私は最年少でナンバー入りを果たした。



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