【詩集】巡伴記
『血』

紅い花



巧みながらも淡白な

濃淡のみの水墨画



一度限りのこの人生

駆ける様は矢の如く



どうせ終には枯れゆくものと

一興ついでと意を決す




駆けるは一閃

射ぬくは彼(カ)の胸

飛んで散るは赤い華




生々しくも活き活きと

乱り淫れて赤い華

世の道 夜の道滲ませる




粗雑ながらも艶やかな

色彩豊かな水彩画


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