【詩集】巡伴記
『親愛なる人へ』
先に断っておくよ
誤解しないでほしい
愛の話じゃない
もうすぐ声が
聴けなくなるね
いや
元々聴いてなかったかな
でも
届いてはいたんだ
確かに
返事をしなければ
聴こえていないのと同じ
ってヤツ
僕はかなり鈍感なんだ
伝えることに
求められることに
そうやって
いつでも逃げてきた
もうすぐ鳩は眠ってしまう
それだって形だけの話
ただ
忘れないで
同じ舞台に生きてることを
そこに
僕等を遮るものは無い
ってことを
いつかの空を
見上げた時のように
2008.07.06