暴走彼氏。【未完】
クラスメートの反応といい、
遅刻してんのにこの偉そうな態度といい。

「誰だって聞いてんだ、答えろ」

低い声。
でも、甘みがこもってる。

「あたしの名前はユズ
 2週間前に転校してきたの」

思ったより平然と答えれた。
このときはまだ、恐いと思ってなかった。

「お前、俺が誰か知ってるのか?」

「――うん。
 龍の総長の奏太さん」

「へぇ、久しぶりだぜ、
 俺のこと知っててタメで話してくるヤツ」

「…え?」

「ユズ、ね。覚えた」

それだけ言うと、奏太さんは机に伏せて、
寝てしまった。

たしかに。
見た目は完璧不良だなぁ…。

学ランのボタンは1つもつけてないし、
髪の毛は茶色だし。


そして、
最も気になるのは彼が着てる特効服。
テレビでしか見たことない、
真っ赤な服。
「最強」って、
刺繍されているその服。
暴走族である印の服。

あたしは、それに釘付けだった。






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