暴走彼氏。【未完】
やっとの力で声を絞り出す。
涙も出てきた…。

その声を聞き、
奏太さんは、やっと離してくれた。

「……ごめんな」

あたしの涙に気付き、
奏太さんは言った。

あたしは家の中に駆け込み、
玄関でしゃがみ込んで泣いた。

…ファーストキスは好きな人とできた…。
けど、うれしくない。
全然うれしくないよ…。

『ごめん』って何?
あたしが聞きたかったのは、
そんな言葉じゃない。

キスの後は『好きだ』って、
言ってほしかったのに…
奏太さん―――……

< 54 / 127 >

この作品をシェア

pagetop