暴走彼氏。【未完】


そう思って声をかけようとしたとき奈美はあたしを見て驚いた顔になった。


…正確には、あたしの後ろを見て…


そして、


「ユズ逃げてっ!!」


あたしに向かってそう叫んだ。


「…え?」


一瞬、何が起きたか分からなかった。


「もう遅ぇよ」

背後で低い男の聞き覚えのある声がそう呟いたのと同時にあたしの口にハンカチが押さえられた。



…叫ぼうとしても、ハンカチのせいで声が出ない。


だんだん気が遠くなる…。



意識を手放す瞬間、あたしが見たものは――……





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