「「お前が…」」 (明&慶悟)
島崎 慶悟







昨日は…全然眠れなかった。
理由は分かる。

明がいなくなるから。






産まれた時から隣にいた明。

小3から一緒に始めた野球。
俺は投手で、明は捕手で、
一緒に甲子園行こうなって……。
リトルの時代の口癖だった。


捕手の明はいつも前にいる。
その大きな体で、俺の投げた球を捕ってくれる。





そんな明が、いなくなるんだ。
隣にも、前にも………いなくなるんだ。
もぅ…明は、…俺の球を捕ってくれない。
捕れない。











いつも隣にいて―――――









頼もしかった明。


俺、捕手はお前しか知らねぇんだよ。
吉村工業の市川も凄かった。
すぐに俺の球を捕るんだ。
18年間の…明の努力を……簡単に超えられた様で…
悔しくて、悔しくて―――……

腹が立った。

でも、それは市川の実力だから――。








俺は…明が最高だと思ってる。








< 3 / 7 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop