「「お前が…」」 (明&慶悟)







俺の癖を知ってて、
試合中にいち早く注意してくれて、

配球も、俺に理解できるように、
すげぇ考えて配球している。

試合になると、
ベンチから出るときにするバトンタッチもして、

俺の苦手の社会の公民も教えてくれて、




明はいつも隣にいた。






中学の卒業式に泣いた時、
お前笑ったよな。


あの時の涙は―――……
遠くに行くダチに対しての涙。
好きだった先生に対しての涙。

あの、卒業式のしんみりして、緊張している“空気”にあてられたんだ。








――――でも……



今日は…涙が止まらないんだ。
母さんは、明くんにも明くんの人生があるんだよ。って言った。
俺だってそこまで分からないほど馬鹿ではない。





試合に勝つと、龍太郎の家で蕎麦を食べて、
試合の前日になると明ん家の肉買って食って――――………


いつの間にか……それが当たり前だった。





















抱き合って…泣いた。


甲子園の切符をかけた“夏大”。
嵩明に負けて、ベンチで一緒に今みたいに泣いたよな。
明との最後の野球。
俺は………明と甲子園に行きたかったんだ。








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