愛なんて存在しない



「…眠い…」



今は秋、と言ってもまだ暑い

最近また制服が夏服から冬服になったばかり


…まだ夏服でいいのに



頬を撫ぜる風は、まだ夏の風

そこらへんに立ってる樹も、まだ緑色の葉をつけている



うちはのんびりと周りの風景を見ながら、学校へ向かった









―――――――………
―学校―



「7時15分…うわ、早い…」



学校の校門の前で時間確認


…こんな早い時間でも校門開いてるんだ…


うちの通ってる学校は、私立幸咲(コウサキ)中学校

元男子校だったらしく、女子が少ない
1クラス5人くらい


個人的には、その方が嬉しいけど




―――ガチャッ
    パタン



靴箱を開けて上履きとローファーを変える

1年前変えた上履きは、友達からのイタズラを受けてすでにボロボロ


…そこまでボロボロじゃないか



欠伸をしながら廊下を歩く

うちら3年の教室は1階

2年は2階、1年は3階って感じ




ぼーっと歩いてたら、うちのクラス…B組についた

B組は廊下の一番奥にあって、目の前にD組がある



―――ガラッ



誰もいないだろうと思い、勢いよくスライド式のドアを開ける

予想通り、誰もいない



「…眠い…」



うちはそう呟いて、自分の席に座りうつぶせになった



 
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