愛なんて存在しない
「2・3分で終わらすから待ってて!」
「はいはい」
自分の席に戻った麻己君の姿をちょっと観察
黒髪短髪…蓮兄みたいにサラサラ…
背ぇ高いなぁ…
確か、前に友達が「名前だけは格好いいのに」って言ってたけど…
そんな事ないと思う…のはうちだけかな?
そんな風にジーっと見てると、麻己君も丁度こっちを見てバチッと目が合った
「?なんかついてる?」
不思議そうに首をかしげながら麻己君は自分の髪を触る
あ、顔じゃなくて髪なんだ…
変なの
「や、背ぇ高いなーって」
「成長期だからじゃね?」
「いーね、羨ましい」
うちの身長は150くらい
クラスで一番小さい
入学当時は137だった
お世辞にも高いとは言えない
「いーじゃん、小さくても」
「それイヤミって言うんだよ」
「や、だって考えてみ?」
妙に真剣な顔で身長について語り出した
麻己君って…ちょっと抜けてる?
プリントを写すのも忘れて語っている麻己君を見てると、妙に笑えてきた
小さく笑ったのがバレたのか、麻己君の顔が少しキョトンとした顔になる
「何笑ってんのー?」
「だ、だって…妙に真剣な顔で…っ…アハハッ」
「うわ、ひっで!
人がせっかく真面目に…」
と言いつつも、つられて麻己君も笑い出す
あー、楽しいなー…
こんなに笑ったの久し振りかも