紅の恋
鈍感な男。
あたし、如月紅。


南高校の一年生。


一応偏差値は県でトップの高校です。


中学校までやってたクラシックバレーをやめて、今は野球部のマネージャー。


マネージャーの仕事は、練習着の洗濯やグランド整備。


正直言って超大変!


汗臭いし、寒いし……


でも、もう一人のマネージャーがいるから頑張れる。


同じクラスの亜由美。


超仲良しで親友っ。


でもあと、頑張れる理由がある。


「達!」


佐藤達弥。


野球部所属、中学校の時はエースでピッチャー・四番。


今は一年生で唯一レギュラー。


「おー。今日も早ぇじゃん」


こいつとは幼稚園からの腐れ縁で……


なーんていつも言ってるけど、あたしの大好きな人。


だからあたしはマネージャーになったの。


朝練は早くて起きれないけど、達に会うために早起きして学校に行ってる。


周りからはよく「付き合ってんの?」とか聞かれるけど、そんなことは全くない。


残念なくらいありません。


達は、鈍感すぎるから。
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