紅の恋

やっぱり、ずるいことはできないよ…ちゃんと断ろう。


「あのねっ………」


「達哉が如月の中にいてもいいから、俺の傍にいてくれねぇ？」


嘘……


素直に、結木くんの今の言葉は嬉しいって思っちゃった。


でも…あたしは甘えていいの？


きっと結木くんがダメになっちゃうよ……


あたしなんかで本当にいいのかな。


「どう？」


傷付くのは結木くんってわかってるのに、断るのを拒んでいるあたしがいる。


一瞬でも結木くんが好きかもって思っちゃったあたしって？


あたしの気持ちを素直にぶつけよう。


「……あたしね、結木くんが好きなのかわからない。だけど…あたしが達以外でこんなに揺れたのは初めてなの。一瞬、好きかも、って思った」


「えっ……それって、俺んとこに来てくれんの？…え？わけわかんねぇっ」


あたしの言葉に動揺してる結木くん。


「好きかも」とか「わからない」とか、訳わかんないことばっかり言ってるから無理はないと思うけど……