悪魔と私~番外編~
アイル×クロード
ハッピー☆バレンタイン
クロードSide
俺は今、マレールと言う街の商店街をうろついている。
黒いコートに黒いブーツ。
全身真っ黒な俺がそこらをうろついているのだから、周りから見ればかなり怪しい人だろう。
否、もはや人でもないが。
そう、俺は悪魔。
人間の伝説とかに出てくるような角や羽は生えてなく、見た目は人間と変わりない。
そんな俺が怪しいのを承知でうろついてる理由はただ一つ。
…またアイルが居なくなったのだ。
アイルと言うのは、分けあって一緒に行動している連れだ。
簡単に言うと『契約』だ。
俺たちはマレールの宿屋に泊まっていて、朝俺が起きてみると、あいつは既に居なかった。
寝巻きが脱ぎ捨てられていることから、あいつは急いで出て行ったのだろう。
俺はそのままコートに着替え、気配を追っていくと商店街に着いた、と言うことだ。
どうせまたそこらへんの見物でもしているのだろう。
だが、あいつが勝手に出て行ったときは、必ずと言って良いほど、事件に巻き込まれる。
だから俺は此処にいる。
また面倒な事件に巻き込まれる前に、探し出さなくては。
アイルが居ないか、辺りを見渡す。
だが、アイルらしき人はいない。