詩 箱
冬の花
冬の花
フワフワ舞い散る雪は
まるで桜の花びらのようで
肩に髪に降り積もる雪は
優しくてどこか懐かしく
僕を切なくさせた
木に降り積もった雪は
桜の木そのもので
太陽の光に照らされて
キラキラと眩しくて
冬の花
手を伸ばせば
すぐに手に入るのに
それと同時に消えてしまう
至福の時は一瞬で
それはまるで恋のよう
見ている時は美しく
触れてしまえば壊れてしまう
たくさん積もった野原は
一面真っ白な絨毯を敷いたようで
フカフカで気持ちがよく
僕を安心させた
冬の花
優しく包み
君を思い出させる
楽しかったあの時を
君が傍にいてくれたことも
惜しみない愛にも
慣れていた
君が見せたささやかなサイン
見落としていた
今もずっと
僕らきっとうまくやれたはず
瞳を見つめる自信がなくて
いつも逃げ出していた
冬の花
もう春日も射してきた
新しい花を咲かそう