フリージア
どんなに医学が発展しても治らない病気というのは、あまり知られていないだけでまだ残っているのかもしれない。

きっとユウタはそういった不治の病と称される病気と長年、戦ってきたんだろう。

彼の青白い顔と骨張った体は、その戦いの名残。

私の中にユウタのことを痛ましく思う気持ちと、彼に対する発言にはいろいろと気を使わなければならないことがありそうだと距離を置きたがる自分が同時に生まれた。

そんな自分に気がついて無性に腹が立つ。

なにか話すべきだろうけれど、頭の中にうまい言葉は浮かんでこないし、唇も制御を失ったかのように全く動かなくなっていた。
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