フリージア

『バンクの管理下ではない臓器での移植は違法』

バンクが世間に浸透していくにつれ、そんな法律まで出来た。


「あ～、そっか。そういうことか」


ユウタは曖昧な笑顔を見せる。


「ま、まぁ、ずっと入院することになったらユウタのこと知る機会が増えて仲良くなれるから、それはそれでいいけどね。あはは」


私は気まずい空気に飲みこまれてワケの分からないことを口にしていた。

そんな私を見てユウタは不思議そうに首を傾げた。