フリージア
だいぶ距離も近づいて、呼び止めようと口を開いたところで、私はユウタが一人じゃないことに気づいた。

白衣を着た男の人となにやら話している。

男のほうがどこか威圧的に見えるのは、ユウタがやけに萎縮しているように身を縮こまらせているからだろうか?

なんとなく出ていくに行けない雰囲気なので、私は二人に気づかれないように隠れて待つことにした。

それにしても、昨日とは打って変わったユウタの表情が気になる。

あの男はユウタの主治医なんだろうか?

なんにしろ患者を萎縮させるような奴は医者に向いてない。

まあ、そんなことは私が判断することじゃないけれど。
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