フリージア
「……な、なに?」
「ん、美味しそうに飲むなーって思ってさ」


そう言って、いっそう目を細めるユウタ。
よく考えたらユウタはジュースを一本しか手にしていなかった。

病気のせいで飲めないのだろうか?
それとも、お金が足りなくて一本しか買えなかったとか?

なんにしても自分一人、ジュースを飲んでいるのは心地悪い。

もし、病気で飲めないにしても一応

「ユウタも飲む?」

私は缶を差し出してみる。
< 34 / 89 >

この作品をシェア

pagetop