フリージア
「え?」


ユウタがすごく驚いたように目を見開いた。

別にそこまで驚くようなことでもないだろうに……

そりゃまあ、間接キスってやつにはなるけど、今時そんなこと大袈裟に取る奴もいないっていうか、なんかユウタはあんまり異性って感じがしないって言うか……

頭の中でつらつらと色んな理由を思い浮かべながら私は半ば押しつけるようにユウタの手に缶を握らせる。


「……あ、ありがとう」


ユウタは多少戸惑いを含んだ照れ笑いを浮かべた。
そこまで照れられると逆にこっちが照れてしまう。

私はそれを悟られないようにユウタから視線を逸らして景色を見つめた。

やけにのんびりとした時間が流れる。
こういうのも悪くない。
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