フリージア
「ねぇ、芽衣」
「ん?」


今まで私と同じように景色を見ていたユウタが不意に口を開く。


「なにか話してよ」
「え? なにを?」

「芽衣が好きなこととか……なんでもいいんだけどさ」

「えー、なんかあるかなー。そんなたいした話できないよ」

「なんでもいいんだよ。楽しくなくても我慢してあげるから」

「……失礼だなぁ」
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