フリージア
「ねぇ、ユウタ」
「ねぇ、芽衣」


声が重なった。足が止まる。
ユウタが真剣な顔で私を見つめている。

これから重大な告白をしようとしているかのような表情に、私はユウタに先に言葉を譲ることにした。


「なに?」

「うん……さっきのおばさんの持ってた花の名前知ってる?」

「え?」
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