フリージア

「……なんでユウタが臓器の提供者なの?」


私は確かめる為にそう問うてみた。
まるで自分の声じゃないみたいに掠れた声。

ユウタは

「うーん」

としばし考えるように視線を上に向け、それから口を開いた。


「なんか、僕たちって、染色体が24対48本あるんだって。だから、みたいだよ。っていっても僕にはよく分からないけど……この間、バンクのこと話してた芽衣なら分かるのかな、この意味?」


ユウタは自分が知らないということを恥じるように小首を傾げて笑う。

私は彼の言葉に頭をがんと鈍器で殴られたような衝撃を受けた。
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