フリージア

「ユウタ……それは違うよ」


そんなひたむきさを、羨ましいと思う自分がどこかにいた。

だから、私は彼に惹かれたのかもしれない。

科学の発展や技術の進歩、それが私たちから確実に奪っていくものを、ユウタはちゃんと持ちつづけていたから。

純粋なまま生きているから……

私はユウタの頬に両手を添え、彼の瞳を真っ直ぐ見つめた。
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