フリージア
やがて、長い時間がたって急におばあちゃんがいなくなった。

その代わりに来た人は、とても意地悪な人で、僕がおばあちゃんがつけてくれた名前を口にすると不快そうに顔を顰め


「お前たちには名前なんか要らないんだ。そんなもの忘れてしまえ。分かったな?」


と、冷たく言った。


だけど、どうしても忘れることができずに、こっそりと心の奥にしまっていた名前。

そのおかげで、芽衣に変に思われずに話をすることが出来た。
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