フリージア
3
それから、あてもなくぶらぶら歩き回った。

気がつくと、私は見覚えのない場所まで来てしまっていた。

これまでとは違って薄暗く日光の入らないひんやりとした場所。

昼間でも電灯をつけっぱなしにしているのか、そのうちの何個かは寿命を訴えるようにチカチカと点滅を繰り返している。

無意識のうちにこんな所に迷い込んでしまったのは人気のないところを目指していたからだろうか。
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