フリージア
「……そんな子知りませんよ」


返ってきたのはそんな冷たい言葉ばかりだった。

これ以上、深入りするなという警告なんだろう。

深入りしたくてもユウタはもういない。
私のせいで彼はこの世からいなくなってしまった。


「お大事に」


医者は、それだけ言うとさっさと部屋を出て行く。

でも、そのほうが今の私には都合が良いから、別に気にならない。
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