フリージア
「ああ、フリージアね」
「フリージア?」

「そう。この花にはねぇ、親愛っていう意味があるのよ」


母親らしき女性が男の子に教えている。

親愛……?

その言葉がぼやけていた記憶の引き金になったのか、聞き取れなかったはずのユウタのもう一つの言葉が頭に浮かんだ。


芽衣は初めての友達、だったのかな? ―――


ユウタは、そう言った。

確かにそう言った。
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