また、君に会いたい。


私の選び方は本当に適当で

適当に目についた人にメールを送る。って感じなだけに

誰に何を送ったとか覚えている筈もなく、とりあえず暇つぶしに付き合ってくれそうな人を一人ピックアップしたら

残りの人からメールが来ても完全無視。
(自分から送っておきながら。)


そんな感じで
以前ピックアップされたのが
今、受話器の向こう側、早口でせわしなく喋っている人。


一郎(通称{いっちゃん)だった。



覚えている筈もない
〝暇つぶし相手〟のいっちゃんを何故覚えていたかと言えば、


ドタキャンされたから。


そう、あの時も今日のように早口でマシンガントークを繰り広げ、軽い口調で

「じゃあ、⑫時ぐらいに」

と言って電話を切った。

が、⑫時を廻っても来る気配も、私の携帯が鳴る事もなかった。


次の日の朝、

「昨日はごめん!」

なんて謝罪の電話が来たけど
正味、どうでも良かった。

ドタキャンされた事はムカついたけど、別に

凄く楽しみ!!

にしてた訳でもなく、

適当に選んだ
〝ただの暇つぶし相手〟

な訳で、
むしろ落ち込む方がオカシイ。

だから

『別に気にしてない。私も寝てたから。』


そう答え、電話を切った。


その電話から連絡は無かった。

私から連絡する必要も無かったから、そのまま私の記憶から

いっちゃんの存在は消えていった




…ハズが…



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