ラブリー

この時からあたしの中ではそう決まっていた。


大好きな琉生が王子様で…もちろん


はじめて…ちゅーする相手も琉生だって。


だから最後までダダをこね、あたしは白雪姫の役を嫌がり


結局その劇は琉生と一緒に手をつないで小人役をした。


みんなが憧れる白雪姫の役よりも


琉生と一緒の小人役の方が何百倍もあたしは嬉しかった。


『みうは白雪姫でなくてよかったの?』


『うんっ!みうはるいと一緒がいいから』


白雪姫が着るピンク色のドレスが着れなくても、琉生と手を繋いでいるだけで笑顔になって幸せいっぱいだった。


こんな気持ちにさせてくれる…琉生がやっぱりあたしの王子様。


その時、あたしは改めて…そう思ったんだ。
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