148㎝の王子様
―――あたしは全速力で走っていた。

大好きな大好きなあの人のもとへ。

早く早く会いたくて。

あの大好きな―……








いつきと真理ちゃんが付き合う宣言をして数日がたった。

まだいつきをみて涙がでそうになるけれど我慢した。

「千春……。あの話したいことがあるの」

席に座っていたあたしに、束莎が言いにくそうに話しかけてきた。

「ん…??なぁに?」

「あの……… 沢村のことなんだけど…… 沢村と平井「ごめん… トイレ…」

束莎の話しをさえぎって席を立った。

「あっ…!!!ちょ…!千春!!逃げてちゃなんもかわれないわよ!!」

束莎の言葉を背中で受けながら歩いた。

それから束莎の痛いほどの視線を感じた。

「分かってる……… 逃げてちゃだめだってことは…」

けど……。どうしても逃げてしまうんだ。

「トイレ…。行かないけどどこ行こう……」

とにかく束莎から逃げたかった。




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