148㎝の王子様
校門の前にたどり着くとそこにはいつきの姿があった。

「……いつき!」

そう呼ぶと今まで下を向いていたいつきが顔をあげた。

「吉野…。」

「なんでここにいるの??」

いつきは帰ったんだと思ってた…!

「いや、独り身同士一緒帰ろうと思って。」

いつきが意地悪く笑った。

それって………

「…つまり、一緒に帰ろうってこと??」

そのとたんにいつきは真っ赤になった。

もうね……神業だよ。あれほどまでに真っ赤になるの。

「そうでしょう??いつき。」

いつきは口をもごもごしてあぁと小さく言った。

なんか束莎といい、いつきといい、恥ずかしくなると口をもごもごさせるんだな…。

それになんか、あたしがSな男で、いつきがMな女の子みたいになってる気がする…。

「…吉野!いかねぇのか?おいてくぞ!」

結構な遠くからいつきの声がした。

置いてくぞって…。結局一緒に帰るんじゃん。


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