148㎝の王子様
それから無言で歩き続け遂にお別れのときがきた。

「……じゃぁ。あたし…こっちだから…」

「…あぁ。またな」

またなって言ったはずなのにお互いそこから動けなかった。

できればもっと永くいつきといたかった。

いつきはなんで動かないの??

不意にいつきの顔が真剣になった。

どうしたんだろぅ…。いつき…。

「……吉野。俺、おまえのことがー……」

そのときちょうど車が通りかっかって辺りをライトで照らした。

その瞬間いつきはっとしたような顔をした。

「……いつき??」

「…わりぃ!またな!」

そういっていつきは駆け出して行ってしまった。

いつきは何をいおうとしてたんだろ…。

少し寂しさは残るもののあたしも歩き出した。


空には満天の星が輝いていた。




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