148㎝の王子様
「沢村、ヤキモチ妬いてんだろ」

あまりにも唐突だったので、食べていた唐揚げを噴きそうになった。

「…げほっ。なんだよいきなり」

山本をみるとニヤニヤ笑っていた。

「いーや??だってさっきから眉間に皺寄せてるから」

さぞ面白そうに言った。

「やっ妬いてなんかねぇよ!!」

必死に言った。

「ムキになるところが怪しいんだよ」

いっつも山本のほうが一枚上手だ。

「ただ…モヤモヤして複雑なんだよ…」

ぽつりと呟いた。

「それをヤキモチっつーんだよ」

ヤキモチ…ねえ。

「まぁ…余裕ある男なんてつまんねーからなー」

「じゃぁ、お前はつまんねーな」

うっせと山本が返してきた。

さわさわと風邪が吹いていた。雪はもう溶けていた。



放課後になった。授業は眠くてしかたがなかった。

何度か先公に注意された。

部活に行く準備をしていると、

「…あの。いつき…」

誰かに声をかけられた。

後ろを振り返ると吉野の姿があった。


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