148㎝の王子様
「今までいつき君のことでいろいろ悩んだよね?」

「はい……」

今でも思いだすと胸が痛くなる。

特に真理ちゃん事件のときのことは。

「辛い思いもたくさんしたと思う。けどね、そのことは絶対に忘れちゃ駄目だ。」

拓斗先輩の言葉が胸に響く。

「千春ちゃんは、あんなに悩むほどいつき君が好きなんだ。だから自信もちなよ」

最後には涙がでそうだった。

けど最後は笑顔でさよならしたくて我慢した。

「千春ちゃん、あの時俺が言ったこと覚えてる?」

あの時…??いつのことだろ。

頭をフル回転させて思いだそうとする。

そのとき一つの言葉が思い浮かんだ。

思いだしただけでも顔が熱くなる。

あの時、拓斗先輩があたしの頬っぺたにキスしたとき、

あたしは拓斗先輩を追い掛けて、抱きしめられて言われたんだ、



『いつかいつき君とも出来るといいねっ』


って。



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