148㎝の王子様
「えっ…??そんなこと…言われても…」

束莎はあたふたしていた。

「なっなんか……………………って、そんなことどーでもいいのよ!!」

チッ。もう少しだったのに。

また束莎が真剣な顔になった。

「あたしが言いたいのは、これからのことよ」

これからのこと…??

「今からあんた告白するんでしょ?」

うっ…。わざと思わないようにしてたのにぃ…。

「うん…。まぁ…。あぁー…緊張じでぎだー」

鼓動がめちゃめちゃ速くなってきた。

「千春。いい??今から言うことちゃんと聞いてね?」

しっかり瞳を見て言われた。

「告白って、やっぱり恐いものよ?振られたらどうしよう…とか」

確かに恐い。告白して振られちゃったとき、その後のこととか考えると。

「けどね、想いって言わなきゃ伝わらないのよ。」

想いは言葉に。簡単なようで簡単じゃない。

「それに、言わないで後悔するより、言って後悔したほうがいいじゃない?」

束莎の言葉が拓斗先輩のときみたい、心に響く。

「だって言って後悔したとき、絶対どこかに言ってよかったって思う気持ちがあると思うの。」

だんだん視界がぼやけていく。

束莎の言葉が嬉しくて。頑張れって言葉にしなくても、応援してる。って伝わってきて。

「千春。あんたは、“今”を生きてるの。“未来”なんて誰にもわからない。」


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