148㎝の王子様
「はっ??俺は、加藤に吉野が桜の木で待ってるって言ってたって、伝言来たからよー」

「えっ????」

あたしそんなこと言った覚えがない…。

もしかして…束莎…。

わざとそうしてくれたの?

「束莎のっ…ばかやろ………」

めちゃくちゃ嬉しいじゃないか。

でも。頑張らなくちゃ…。

「あたし…いつきに伝えたいことがあるの…」

ドクンドクンと心臓が脈を打つ。

けして優しいものではない。

けどね………

「…俺も吉野に話したいことがある…」

けどね、いつきの声をきくと心があったかくなる。

風が優しく吹いた。

深呼吸をして、覚悟を決める。

大丈夫。大丈夫。大丈夫。

すうっと息を吸って口を開いた。

「「あのね、よ」」

同じタイミングだった。


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