148㎝の王子様

いつき side final

「沢村!」

体育館で卒業式の後片付けをしていると、加藤に声をかけられた。

「おー…加藤。あれ?お前今まで体育館にいたっけ?」

確かいなかった気がすんだよなー…

「まぁまぁ。細かいことは気にしないのが1番よ」

なんかおばちゃんみてぇ…。

「千春から伝言なんだけど…」

「吉野から??」

吉野から伝言なんて珍しいな。

「うん、そうよ。桜の木の下で待ってるって」

桜の木のしたぁ…??

「まぁちゃんと伝言したわよ。それより沢村。」

まだあんのか…。なんか嫌予感がすげえすんだけど…

「あんたいつ千春に告白するのよ」

「はっ!?」

思わずでかい声をあげてしまった。

ちらほらと視線を感じた。

「うるさいわねー。だからいつ告白すんのかって聞いてるの」

「なっ…おまっ…なに言って…」

あー…。はじぃ…。なに真っ赤になっちゃってんだ、俺。

「なに純情ぶってんのよ」

結構毒舌だな。加藤は。

「あんたそんなにのろのろしてると、千春他の男にとられるわよ。」

「わかってんだよ… そんなことぐらい…」

わかってんだ。わかってんだけど…

「わかってないわよ。あんた。」

加藤の言葉にドキッとしたのがわかった。

「あんたこのままでいいと思ってるわけ?かっこつけてんじゃないわよ」

加藤の言葉に頭がついていかない。

「逃げてるだけよ、あんたは。男ならねぇいつでも思い伝えられるように、覚悟しときなさいよ」

俺は…覚悟が足りなかったのかもしんねぇ…な。

「男ならびしっと一発決めてきなさい!!!」


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