148㎝の王子様
「かもな…。俺いってくるわ!」

俺は走りだした。


「まったく世話のやける奴らなんだから…」

加藤がそんなことを言っていたのを俺はしらない。



桜の木までたどり着くとまだ吉野の姿がなかった。

「いねぇ…な…」

それから10分ぐらいたったとき吉野が来た。

かなり呼吸が乱れていて苦しそうだった。

「大丈夫か…???」

そうきくと吉野は笑顔で大丈夫と言った。

「「あのよ、ね」」

吉野と声が重なった。

何度か譲り合いをしたけど、吉野がこほんと咳ばらいをしてから言った。

「あたし、いつきに伝えたいことがあるの…」

伝えたいこと…?なんだ??

そして言ったんだ。


「あたしいつきが好き!!!」


びっくりした半面、悔しい気持ちもあった。

思わずしゃがみこんでしまった。


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