148㎝の王子様
「吉野……もう、大丈夫だから。俺がいる。大丈夫だ」

「…………うん」


あぁ……。安心する。

この腕も、あたしより遥かにおっきい手の平も、そしてこの胸のなかも。

全部全部安心する。

だんだん落ち着きを取り戻している自分がいる。



―――トクン…トクン…

心臓が優しく脈を打つ。


――あぁ……やっと、わかった。



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